美容皮膚科と医療広告ガイドライン:知っておくべき3つのポイント


美容皮膚科のクリニックを探していると、「医療広告ガイドライン」という言葉を耳にすることがあるかもしれません。これは、美容医療の広告において、患者さんが安心してクリニックを選べるように、国が定めたルールです。

このガイドラインは、クリニックの広告だけでなく、患者さんである私たちがクリニックを選ぶ上でも重要な判断基準となります。今回は、美容皮膚科と医療広告ガイドラインの関係について、特に知っておくべき3つのポイントを解説します。


1. 治療前後の写真(ビフォーアフター)は原則NG!

医療広告ガイドラインでは、施術の効果を保証するような写真や表現は原則として禁止されています。特に、治療前後の写真(いわゆるビフォーアフター写真)は、以下のような理由から注意が必要です。

  • 効果の誇大表示: 写真は、光の加減や角度、メイクなどによって、実際よりも効果があるように見せかけることができます。

  • 個人差の無視: 施術の効果には個人差があるにもかかわらず、あたかも誰にでも同じ効果が得られるかのように誤解させてしまう可能性があります。

ただし、例外として、施術内容や料金、リスクなどの情報を詳細に記載することで、一部の治療前後の写真が掲載できる場合があります。しかし、多くのクリニックではトラブルを避けるために、治療前後の写真の掲載を控える傾向にあります。


2. 「〇〇率100%」など、絶対的な効果を謳う表現はNG!

「シミ取り成功率100%」「必ず痩せる」といった、患者さんの効果を保証するような表現もガイドラインで禁止されています。

医療行為は、患者さんの体質や状態によって効果が異なります。そのため、「絶対」「必ず」といった表現は、患者さんに誤解を与え、適切な判断を妨げる可能性があるからです。

同様に、「日本一」「最高の技術」といった、客観的な根拠のない最上級の表現も禁止されています。


3. 体験談や感想は、掲載方法に注意が必要!

患者さんの体験談や感想は、広告として掲載することが可能です。しかし、掲載方法には以下の注意点があります。

  • 第三者の視点: 誰が書いたか分からない体験談や、不自然なほど良いことばかり書かれている感想は、信頼性が低いと見なされます。

  • 特定の情報: 施術内容や料金、リスク、副作用など、必要な情報が明記されている必要があります。

そのため、多くのクリニックは、体験談を掲載する際にも、患者さんの承諾を得て、より客観的な情報を付記するなどの工夫をしています。


なぜガイドラインがあるの?

これらのガイドラインは、患者さんが美容医療という選択肢を安全に、そして後悔なく選べるようにするために存在します。誇大広告に惑わされることなく、本当に信頼できるクリニックを見つけるための重要な手がかりとなります。

クリニックのウェブサイトやSNSで、ガイドラインを遵守しているかを確認することで、そのクリニックの誠実さや信頼性を判断する一つの材料になるでしょう。