美容皮膚科と皮膚科の薬物治療の違い


皮膚トラブルが起きたとき、「皮膚科に行くべきか?美容皮膚科に行くべきか?」と迷う方は少なくありません。どちらも皮膚に関する治療を行いますが、治療の目的・使用する薬・費用の扱いに大きな違いがあります。ここでは、薬物治療を中心に「美容皮膚科」と「皮膚科」の違いをわかりやすく解説します。


1. 治療の目的の違い

  • 皮膚科(一般皮膚科)
     病気の治療を目的とし、かゆみ・湿疹・アトピー性皮膚炎・ニキビ・水虫などの皮膚疾患を対象にします。症状を抑えることが最優先。

  • 美容皮膚科
     病気というよりも「見た目の改善」「美肌・アンチエイジング」を目的とします。しみ・しわ・毛穴・ニキビ跡・美白など、美容的な悩みに対応。


2. 薬物治療の違い

◆ 皮膚科で処方される薬

  • 保険適用されるものが中心。

  • 抗炎症薬(ステロイド外用薬、非ステロイド薬)

  • 抗菌薬(抗生物質の外用・内服)

  • 抗真菌薬(水虫など)

  • 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)

  • ビタミン剤(皮膚機能改善)

👉 病気を治すことが目的なので、効果と安全性が重視される。

◆ 美容皮膚科で使われる薬

  • **自費診療(保険適用外)**が基本。

  • 外用薬:ハイドロキノン(美白)、トレチノイン(ターンオーバー促進)

  • 内服薬:ビタミンC、トラネキサム酸(しみ・肝斑対策)、ピル(ニキビ治療)

  • サプリメントやオーダーメイド処方薬

👉 健康保険ではカバーされない「美容目的の薬剤」が多い。


3. 費用の違い

  • 皮膚科:健康保険が使えるため、診察・薬代は安価(数百円〜数千円程度)。

  • 美容皮膚科:自費診療が基本。薬代も自由診療扱いのため、数千円〜数万円かかることもある。


4. 通院スタイルの違い

  • 皮膚科:短期的に症状を改善し、再発予防のため継続的に受診。

  • 美容皮膚科:美容効果を維持するために、定期的な通院や長期的な薬物治療を行うケースが多い。


5. どちらに行けばいい?選び方の目安

  • 赤み・かゆみ・痛みがある皮膚疾患 → 皮膚科

  • しみ・しわ・毛穴・美肌ケアなど見た目の悩み → 美容皮膚科

  • ニキビ治療は両方対応可能だが、
     - 炎症が強い→皮膚科で保険治療
     - ニキビ跡・美肌目的→美容皮膚科


まとめ

  • 皮膚科:病気の治療、保険適用、医薬品中心。

  • 美容皮膚科:美容目的、自費診療、美白や美肌に特化した薬剤。

目的が「治す」か「きれいにする」かで、選ぶ科が変わります。まずは皮膚トラブルが「病気なのか美容上の悩みなのか」を判断し、必要に応じて使い分けるのが賢い方法です。