【結論】医療脱毛は原則保険適用外!ただし、例外的に保険適用される3つのケースを解説
「医療脱毛は高額だから、保険を使えないの?」
「病気が原因で毛が濃い場合は、保険が適用されるのでは?」
医療機関で行う脱毛(医療脱毛)は、基本的に健康保険の適用外となり、費用は全額自己負担となる「自由診療」です。これは、脱毛が病気や怪我の治療ではなく、**「美容目的」**と見なされるためです。
しかし、ごく限られた状況下で、脱毛が**「治療の一環」**として医師に必要だと診断された場合に限り、例外的に保険適用となる可能性があります。
保険適用が期待できる、非常に稀なケースと、その判断基準を詳しく見ていきましょう。
1. 例外的に保険適用される可能性がある3つのケース
以下の疾患・状況においては、脱毛が「治療目的」と認められ、保険適用となる可能性があります。ただし、保険適用となるかどうかの最終判断は、医師の診断と健康保険組合の判断に委ねられます。
適用が期待できるケース | 適用理由と判断基準 |
① 多毛症(たもうしょう) | ホルモン異常など、医学的な疾患が原因で体毛が異常に濃くなっている場合。医師が脱毛を治療上不可欠と判断した場合に限り適用となります。(非常に稀) |
② 火傷や外傷による皮膚の異常 | 火傷の治療や外科手術後の皮膚再生過程で、異常な毛の成長が見られ、医療的に毛を除去する必要があると判断された場合。 |
③ その他、特定の皮膚疾患 | アトピー性皮膚炎や多汗症・ワキガなど、脱毛によって症状の悪化を防いだり、衛生状態を改善したりする必要があると医師が判断した場合。しかし、美容目的と見なされ自由診療となるケースがほとんどです。 |
2. なぜ、ほとんどの医療脱毛は保険適用されないのか?
保険適用外となるのは、日本の健康保険制度の基本的な考え方に基づいています。
美容目的の施術は対象外:
健康保険は、生命の危険に関わる病気や、日常生活に支障をきたす怪我の**「治療」**を目的としています。ムダ毛の除去は、これらの治療行為には該当しないため、費用は全額自己負担となります。
多毛症の治療は薬物療法が優先:
多毛症と診断されても、その**根本原因であるホルモン異常の治療(薬物療法)**が優先されることが多く、レーザー脱毛が必須の治療手段と認められるケースは極めて少ないのが現状です。
💡 知っておきたい!「医療費控除」の可能性
脱毛自体が保険適用外であっても、上記の**「治療目的」**で医師の診断・指示のもとに行われた場合は、医療費控除の対象となる可能性があります。
対象となる条件:
医師の診断により、治療目的(多毛症など)で脱毛が必要と認められた場合。
年間の医療費の合計が一定額(原則10万円、または総所得金額の5%)を超えた場合。
医療費控除の可否については、医師に相談し、領収書を保管した上で税務署またはお住まいの自治体にご確認ください。
まとめ:脱毛は「治療」か「美容」かで決まる
医療脱毛が保険適用されるかどうかは、「美容目的」か「疾患の治療目的」かによって明確に分けられます。一般的なムダ毛の悩みが原因の場合は自由診療となりますが、多毛症など医学的な要因が疑われる場合は、まず皮膚科を受診して医師の診断を受けることが第一歩となります。
【重要なアクション】
多毛症の可能性がある方は、美容クリニックではなく、一般の皮膚科で血液検査などを行い、ホルモン異常などの原因疾患の検査から始めることを強くおすすめします。