リンパ浮腫治療:美容皮膚科で対応できる?
リンパ浮腫は、リンパ液の流れが滞ることで手足などがむくむ症状です。がんの手術後(特に乳がん・子宮がん・前立腺がんなど)に発症することが多く、見た目の変化だけでなく、だるさや痛みを伴う場合もあります。
では、美容皮膚科でもリンパ浮腫の治療は可能なのでしょうか?
■ 医療皮膚科・形成外科が中心となる理由
リンパ浮腫は、**医学的な原因(リンパ管やリンパ節の損傷・閉塞)**による疾患のため、基本的には形成外科や血管外科、リンパ外科が治療の中心です。医療皮膚科でも、炎症や皮膚トラブルを伴う場合に併発治療を行うことがあります。
治療法の一例:
-
圧迫療法(弾性ストッキング・包帯)
-
リンパドレナージ(専門的マッサージ)
-
外科的再建術(リンパ管バイパスなど)
-
感染予防のための皮膚ケア・抗菌薬処方
■ 美容皮膚科でできるサポート
美容皮膚科では、直接的な「リンパ管治療」は行えないことが多いですが、美容・生活の質を高めるケアとして以下のサポートを受けられる場合があります。
-
むくみ軽減を目的としたメディカルリンパマッサージ
-
皮膚の色素沈着・乾燥・かゆみのスキンケア指導
-
美容的視点からの見た目改善(弾性着衣の選び方など)
ただし、これらは「補助的ケア」に過ぎず、医学的治療ではありません。
■ 美容皮膚科を選ぶ際の注意点
-
医師がリンパ浮腫に理解のある医療従事者であることを確認
-
「リンパマッサージ」を名乗るだけのエステとは区別すること
-
医療連携(形成外科・内科など)を行っているクリニックを選ぶ
■ まとめ
リンパ浮腫の根本治療は形成外科・血管外科が主導します。
美容皮膚科は、症状の軽減や見た目のケアをサポートする立場にあります。
もし美容目的で受診する場合も、まずは専門の医療機関で診断を受けた上で、補助的に美容皮膚科を活用するのが安全です。