毛細血管拡張症の治療:皮膚科と美容皮膚科の比較【詳しく解説】


顔や脚の表面に赤や紫の細い血管が浮き出て見える――
それが「毛細血管拡張症(もうさいけっかんかくちょうしょう)」です。
多くの人が「シミ?」や「肌荒れ?」と勘違いして放置しがちですが、実は血管の異常が原因。

この記事では、皮膚科と美容皮膚科での治療法の違い、保険適用の有無、そして治療効果の比較までを詳しく紹介します。
「どこで治療すればいいの?」「費用はどれくらい?」と迷っている方は必見です。


◆ 毛細血管拡張症とは?

毛細血管拡張症とは、皮膚表面近くの毛細血管が拡張し、赤みやクモの巣状の血管が見える状態を指します。
特に以下の部位に多く見られます:

  • 鼻・頬・あごなどの顔面

  • 太もも・ふくらはぎなどの下肢

主な原因は次の通りです。

  • 紫外線や寒暖差による血管のダメージ

  • 加齢やホルモンバランスの変化

  • 遺伝体質

  • アルコールや刺激物の摂取

  • 長期的なステロイド外用薬の使用

初期段階では「赤ら顔」として現れることが多く、進行すると血管がはっきりと浮き出て見えるようになります。


◆ 皮膚科での治療:保険適用中心の“医学的アプローチ”

皮膚科では、毛細血管拡張症を「皮膚疾患」として捉え、症状の進行や原因疾患の有無を確認します。

【主な治療法】

  1. 内服薬(ビタミンC・ビタミンKなど)
     血管を強化し、炎症を抑える補助的な治療。

  2. 外用薬(血管収縮薬など)
     赤みを一時的に抑えるが、根本治療には不十分な場合も。

  3. レーザー治療(保険適用の範囲あり)
     重症例や血管腫を伴う場合に行われることがあります。
     ただし、美容目的での赤み除去は保険適用外になることが多い点に注意。

【メリット】

  • 医師による医学的判断で安心

  • 他の皮膚疾患(酒さ、アトピーなど)との鑑別が可能

  • 一部保険適用で費用を抑えられる

【デメリット】

  • 審美的な改善は限定的

  • 赤みが完全に消えないケースも多い


◆ 美容皮膚科での治療:美肌と血管のWアプローチ

美容皮膚科では、見た目の改善に重点を置いた審美的治療が中心です。
特に「赤ら顔」や「毛細血管の浮き出し」に特化した最新機器が導入されています。

【主な治療法】

  1. Vビームレーザー(色素レーザー)
     血管内のヘモグロビンに反応し、拡張した毛細血管をピンポイントで破壊。
     皮膚表面へのダメージが少なく、顔の赤みに特に効果的。

  2. IPL(光治療・フォトフェイシャル)
     シミ・くすみ・赤ら顔をまとめて改善できる多機能治療。
     美容目的のため、保険適用外だが満足度が高い。

  3. レーザートーニング・ジェントルレーズ
     皮膚全体をトーンアップしながら、血管の浮き出しを目立たなくする。

  4. 医療用ピーリング・高濃度ビタミン導入
     肌の再生を促進し、血管の再拡張を予防する。

【メリット】

  • 即効性が高く、見た目が明確に改善

  • 赤み・くすみ・毛穴ケアを同時にできる

  • メイクのノリが良くなり、美肌効果も期待できる

【デメリット】

  • すべて自由診療(自費)

  • 1回あたり1~3万円前後の費用

  • 複数回の施術が必要になる場合も


◆ 保険適用の有無と費用の比較表

項目 皮膚科 美容皮膚科
診療目的 医学的治療 審美的改善
主な治療 外用薬・保険レーザー Vビーム・IPL
保険適用 一部あり なし(自由診療)
費用目安 数千円~1万円程度 1回1〜3万円前後
効果の実感 徐々に改善 即効性が高い
副作用リスク 軽い赤み・ヒリつき

◆ どちらを選ぶべき?目的別おすすめ

お悩みタイプ おすすめの治療先
医師の診断で病気の有無を知りたい 皮膚科
顔の赤みを見た目から改善したい 美容皮膚科
保険を使って最低限のケアをしたい 皮膚科
美肌も同時に手に入れたい 美容皮膚科

結論:
症状の原因が不明な場合はまず皮膚科へ。
美容的な改善を求めるなら、美容皮膚科が最適です。


◆ 自宅でできるセルフケアと予防法

  1. 紫外線対策を徹底する
     日焼け止め・帽子・日傘で血管のダメージを防止。

  2. 急激な温度変化を避ける
     熱いお湯・冷風などの刺激は血管拡張を悪化させます。

  3. 刺激の少ないスキンケアを選ぶ
     アルコールや香料の強い化粧品は避けること。

  4. ビタミンC・Kを摂取
     血管の弾力を保ち、再発防止につながります。


◆ まとめ:目的で選ぶ“あなたに合った治療先”

毛細血管拡張症の治療は、見た目重視か、医学的アプローチかによって選ぶ場所が変わります。

  • 皮膚科:保険適用で安心・費用を抑えたい人

  • 美容皮膚科:赤みをなくして美肌も目指したい人

両方の特徴を理解して、自分の希望に合った方法を選びましょう。


「顔の赤みがずっと気になる」「血管が透けて見えるのが恥ずかしい」
そんな方も、正しい治療を選べば改善できます。

一度の治療で劇的に変わるケースも多く、早めの受診が大切です。
気になる症状がある場合は、信頼できる皮膚科・美容皮膚科に相談してみてください。

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