永久脱毛が美容皮膚科でしか受けられない決定的な理由
「脱毛するなら、エステとクリニックどっちがいいの?」と悩む方は多いですが、高い効果が期待できる医療脱毛が、美容皮膚科や医療クリニックでしか受けられないのには、明確な法律上の理由があります。
結論から言うと、医療脱毛で行う「毛根を破壊する行為」は、医師法によって医療行為と定められているため、医師または看護師のいる医療機関でのみ許可されているからです。
この法律と医療行為の定義を理解することが、安全で確実な脱毛を選ぶための重要な第一歩となります。
1. 医療脱毛が「医療行為」とされる根拠
脱毛行為が医療行為にあたるかどうかは、その施術の目的と方法によって明確に区別されています。
1-1. 「毛根を破壊する」行為は法律で制限されている
医療脱毛では、強力な医療用レーザーやニードル(針)を用いて、毛の成長を司る毛乳頭や毛母細胞といった発毛組織を熱で破壊します。この「組織を破壊する行為」が、永久脱毛と呼ばれる状態を作り出します。
厚生労働省は、この**「毛の組織を破壊すること」は、人体に危害を及ぼすリスクがあるため、医師法第17条に定められた医療行為**に該当すると明確にしています。
1-2. 資格を持つ者しか施術できない
医療行為を行うことができるのは、医師免許を持つ医師、または医師の指示・監督のもとで施術を行う看護師といった国家資格保有者に限定されています。
そのため、エステサロンのスタッフは資格を持たないため、法律上、毛根を破壊するほどの高出力な機器を使用したり、永久脱毛に繋がる行為を行うことはできません。
これが、医療脱毛が美容皮膚科や脱毛クリニック(すべて医療機関)でしか受けられない決定的な理由です。
2. エステ脱毛との「効果」と「安全対策」の違い
医療脱毛が医療機関で行われることには、高い効果だけでなく、お客様の安全を確保するという重要な意味があります。
比較項目 | 医療脱毛(美容皮膚科・クリニック) | エステ脱毛(脱毛サロン) |
施術目的 | 永久脱毛(毛根組織の破壊) | 減毛・抑毛(組織へのダメージを与える) |
使用機器 | 医療用レーザー(高出力) | 光脱毛(フラッシュ脱毛)(低出力) |
施術者 | 医師または看護師 | エステティシャン(無資格) |
肌トラブル対応 | 医師が常駐し、診察・薬の処方が可能 | 医療行為ができないため、提携病院への案内のみ |
痛み対策 | 麻酔(麻酔クリームなど)の使用が可能 | 冷却装置や冷却ジェルのみ |
2-1. 高出力だからこその「永久効果」
美容皮膚科で使用される医療レーザーは、エステサロンの光脱毛機器よりも出力が圧倒的に強いため、少ない回数で高い脱毛効果、すなわち永久脱毛を実現できます。
一方、エステサロンの光脱毛は、毛根にダメージを与えるに留まるため、**「減毛」や「抑毛」**効果はあっても、時間が経つと毛が再生してしまう可能性があります。
2-2. 万が一の肌トラブルへの即時対応
高出力のレーザーを使用すると、ごく稀にやけどや毛嚢炎(もうのうえん)などの肌トラブルが発生するリスクがあります。
美容皮膚科であれば、その場に医師が常駐しているため、万が一トラブルが起きても、すぐに診察し、炎症を抑える薬を処方するなど、適切な医療措置を講じることが可能です。
お客様の安全を最優先に考え、リスクを管理できる体制が整っていることこそが、医療機関でしか脱毛ができないもう一つの理由です。