皮膚科で保険適用される治療一覧


——「どんな症状なら保険が使えるの?」をやさしく解説

皮膚にトラブルが起きたとき、「皮膚科に行けば保険が効くの?」と迷う方は多いですよね。
特に最近は、美容皮膚科や自費診療が増えたことで、「どこまでが保険適用なのか」が分かりにくくなっています。

この記事では、皮膚科で健康保険が適用される治療内容を一覧で分かりやすく紹介します。
同時に、保険が効かない美容目的の施術との違いについても丁寧に解説します。


■ 保険適用の基本ルール

日本の健康保険制度では、「病気やケガの治療」が目的の医療行為にのみ保険が適用されます。
つまり、命や健康の維持に関わる「治療行為」は対象ですが、「美容目的の改善」は対象外です。


■ 保険が適用される主な皮膚疾患と治療内容一覧

以下は、皮膚科で保険診療の対象となる代表的な症状と治療法の一覧です。
「肌トラブルだけど、美容皮膚科じゃなくて皮膚科でいいのかな?」と迷うときの目安にもなります。

症状・疾患 主な治療内容 保険適用の可否
アトピー性皮膚炎 ステロイド外用薬、保湿剤、抗アレルギー薬の処方
湿疹・かぶれ(接触性皮膚炎) 外用薬、原因除去指導、内服薬
蕁麻疹(じんましん) 抗ヒスタミン薬、抗アレルギー薬
ニキビ(炎症性) 抗生物質、ディフェリンゲル、ベピオゲルなど
水虫(白癬) 抗真菌薬(外用・内服)
帯状疱疹 抗ウイルス薬、鎮痛薬
とびひ(伝染性膿痂疹) 抗菌薬、消毒、軟膏治療
いぼ(ウイルス性) 液体窒素療法(冷凍凝固法)
ほくろ(悪性の疑いあり) 切除・生検
やけど(軽度〜中程度) 軟膏治療、ガーゼ保護
乾癬(かんせん) 外用薬、光線療法、生物学的製剤(重症例)
脂漏性皮膚炎 外用抗真菌薬、ステロイド剤、ビタミンB群補給
円形脱毛症 ステロイド注射、局所免疫療法、外用薬
虫刺され・日焼け後の炎症 ステロイド軟膏、抗ヒスタミン薬
巻き爪(痛みや炎症がある場合) 爪の一部切除、抗生剤投与

これらはすべて、**「医師が治療の必要性を認めた場合」**に健康保険が適用されます。


■ 保険が効かない治療の例

反対に、美容目的の施術や見た目の改善が目的のものは保険対象外です。

治療・施術内容 理由 保険適用の可否
シミ・そばかすのレーザー治療 美容目的のため ×
毛穴・ニキビ跡のレーザー 肌質改善目的 ×
しわ・たるみのボトックス注射 老化予防・美容目的 ×
医療脱毛 美容目的 ×
ピーリング・美白点滴 美容目的 ×
ほくろ除去(悪性でないもの) 見た目の改善目的 ×

※ただし、「悪性腫瘍の可能性がある」「炎症を伴う」場合は保険が適用されるケースもあります。


■ 保険診療と自費診療の違い

項目 保険診療 自費診療(自由診療)
費用負担 1〜3割負担 全額自己負担
料金 国の基準で統一 クリニックが自由に設定
対象 治療目的 美容・見た目改善目的
湿疹・ニキビ治療 美白・しみ取り

つまり、「皮膚の病気を治す」場合は皮膚科(保険診療)へ、「美しく整える」場合は美容皮膚科(自費診療)へ行くのが基本の考え方です。


■ 保険が使えるか迷ったらどうすればいい?

症状によっては、保険診療と自費診療の両方を組み合わせて行うことも可能です。

たとえば、

  • 「炎症性ニキビ」は保険治療

  • 「ニキビ跡のレーザー治療」は自費診療

というように、同じ「ニキビ」でも段階によって扱いが異なります。

受診前に「この治療は保険適用ですか?」と確認することで、費用トラブルを防ぐことができます。


■ まとめ:皮膚科での保険診療は「治す」ための医療

皮膚科で保険が適用されるのは、

「皮膚疾患の治療」=健康に関わる医療行為

である場合のみです。

反対に、

「美しく見せる」「若返らせる」=美容目的

の施術は自費となります。

目的に応じて皮膚科と美容皮膚科を使い分けることで、無駄な費用をかけずに自分の肌を最適にケアすることができます。


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