知らないと損!レーザー治療は「皮膚科」と「美容皮膚科」どっちを選ぶべき?【目的・費用・適用疾患を徹底比較】


「シミをレーザーで取りたいけど、皮膚科と美容皮膚科、どちらに行けばいいんだろう?」

「費用が全然違うって聞くけど、何が決め手になるの?」

肌の悩みを解決するためにレーザー治療を検討している方は多いでしょう。しかし、「皮膚科」と「美容皮膚科」は、同じレーザー治療を提供していても、目的、治療内容、そして費用に大きな違いがあるため、選ぶクリニックによって結果や満足度が大きく変わってしまいます。

この違いを事前に知っておくことで、無駄な費用をかけず、あなたの理想とする肌に効率よく近づくことができます。

この記事では、レーザー治療を受ける上で知っておくべき、一般皮膚科と美容皮膚科の決定的な違いを、費用や適用疾患(治療対象)に注目して分かりやすく解説します。


1. 最も重要な違いは「治療の目的」と「保険適用」

一般皮膚科と美容皮膚科(美容クリニック)の最も大きな違いは、「治療の目的」です。この目的の違いが、保険が適用されるかどうかを決定づけています。

比較項目一般皮膚科(保険診療メイン)美容皮膚科(自由診療メイン)
治療の目的皮膚の病気の治療・治癒病気の治癒以上の美肌の追求
費用の原則健康保険が適用される(3割負担など)原則として保険適用外(全額自己負担)
治療の選択肢保険適用内の機器や薬剤に限定される最新・多様な機器を症状に合わせて選択可能
主な治療対象湿疹、アトピー、重度ニキビ、皮膚腫瘍、保険適応のあざ・シミなどシミ、そばかす、ニキビ跡、シワ、たるみ、脱毛など美容に関する全般

1-1. 一般皮膚科の目的:「病気の治療」=保険診療

一般皮膚科は、皮膚の病気や疾患を治すことが主な目的です。

レーザー治療を行う場合も、**「医療上、治療が必要な疾患」**と診断された場合にのみ、保険が適用されます。保険診療の場合、治療に使える機器や回数、薬が国によって厳しく決められており、患者さんの自己負担額は通常1割〜3割となります。

1-2. 美容皮膚科の目的:「美肌の追求」=自由診療

美容皮膚科は、病気の治療だけでなく、**「今よりもっと美しくなりたい」**という美容的なニーズに応えることが主な目的です。

シミ、シワ、ニキビ跡など、病気ではない肌の悩みを改善するためのレーザー治療は、原則として保険が適用されません(自由診療)

全額自己負担(10割負担)になりますが、その分、最新のレーザー機器や多様な治療法から、患者さんの希望や肌の状態に合わせたオーダーメイドの治療プランを組むことができます。


2. レーザー治療の対象疾患と保険適用の見極め方

レーザー治療を受けたい肌の悩みは、**「疾患」なのか、それとも「美容目的の悩み」**なのかによって、行くべきクリニックが変わります。

2-1. 保険適用になる「病的なシミ・あざ」の例

「シミ取り」のレーザー治療であっても、医学的に**「病気(疾患)」と診断**されれば、一般皮膚科で保険適用になります。

特にレーザー治療で保険が適用されやすい代表的な疾患は以下の通りです。

  • 太田母斑(おおたぼはん):顔面などにできる青みがかったアザ

  • 異所性蒙古斑(いしょせいもうこはん):お尻以外の場所にできる青いアザ

  • 扁平母斑(へんぺいぼはん):茶色い平らなアザ

  • 外傷性色素沈着:怪我などが原因で残った濃い色素沈着

これらの疾患は、治療回数などに制限はあるものの、健康保険で費用負担を抑えてレーザー治療が受けられます。

2-2. 自由診療になる「美容目的の肌トラブル」の例

日常でよく悩む、加齢や紫外線が原因の肌トラブルのほとんどは、美容目的と見なされ自由診療となります。

  • 一般的なシミ(老人性色素斑)

  • そばかす

  • 肝斑(かんぱん)

  • ニキビ跡の赤みや凹凸

  • しわ、たるみ、毛穴の開き

  • 医療脱毛

これらの治療は、美容皮膚科で専門的なレーザー機器(ピコレーザー、フラクショナルレーザーなど)を使用して行われることが多く、より美しさや仕上がりにこだわった治療が可能です。


3. レーザー治療の「費用」を比較!相場と仕組み

レーザー治療の費用は、保険適用か自由診療かによって、計算方法も価格も大きく異なります。

3-1. 一般皮膚科(保険診療)の費用目安

保険診療では、治療費は診療報酬点数で決められており、患者さんはそのうち3割(または1割・2割)を自己負担します。

例えば、Qスイッチ付レーザー照射療法(保険適用のシミやアザの治療)の場合、面積に応じて点数が決まっており、数十センチメートル四方の治療でも、窓口での自己負担額は数千円〜数万円程度に収まることが多いです。

ただし、保険診療には「同一部位に対して初回治療を含め5回を限度とする」といった治療回数に関するルールが設けられている場合があるため、医師の診断と合わせて確認が必要です。

3-2. 美容皮膚科(自由診療)の費用目安

自由診療では、クリニックが自由に価格を設定するため、料金は機器の種類やクリニックによって大きく幅があります。一般的には**「1ショットあたり」「1cmあたり」「全顔1回」**といった形で料金が設定されます。

治療方法(自由診療の例)費用相場(目安)費用の特徴
シミ取りレーザー(1cmあたり)5,000円〜30,000円程度シミの大きさや濃さ、使用機器で変動
レーザートーニング(全顔1回)10,000円〜30,000円程度肝斑などに適用。複数回セットプランが多い
フラクショナルレーザー(全顔1回)20,000円〜50,000円程度ニキビ跡・毛穴治療など。治療が複数回必要

美容皮膚科では、費用が高額になりがちですが、その分、より肌への負担が少ない最新機器や、短時間で治療を完了できる機器を選べるメリットがあります。また、複数回コースのパッケージプランを利用すると、1回あたりの費用が割安になることが多いです。


4. 迷った時の「選び方ガイド」とチェックポイント

結局のところ、あなたの悩みに対して皮膚科と美容皮膚科のどちらを選ぶべきか、判断の基準をまとめました。

4-1. 【皮膚科を選ぶべき人】

  • 目的が「病気の治療」である場合

    • 湿疹、アトピー、水虫、かぶれなど、炎症や健康上の問題がある場合。

    • 太田母斑など、保険適用となる病的なアザやシミの治療を受けたい場合。

  • 費用をできる限り抑えたい場合

    • 保険が適用される疾患であれば、圧倒的に皮膚科の方が費用負担は軽くなります。

4-2. 【美容皮膚科を選ぶべき人】

  • 目的が「美肌の追求」である場合

    • 老人性色素斑やそばかすなど、加齢や紫外線による美容的なシミを取りたい場合。

    • ニキビ跡の凹凸や、シワ、たるみなど、保険では治療できない美容的な悩みを改善したい場合。

  • より良い仕上がりや多様な選択肢を求める場合

    • 最新のピコレーザーなど、美容に特化した機器で治療を受けたい場合。

    • 内服薬、外用薬、レーザー、ピーリングなどを組み合わせた総合的な美肌プランを希望する場合。

4-3. 最初のチェックポイントは「診断」

シミやイボなど、見た目だけでは保険適用になるか判断が難しい場合もあります。

迷ったらまずは一般皮膚科を受診し、その症状が**「保険適用となる疾患」**なのかどうかを診断してもらうのが賢明です。

「これは保険適用外の美容目的のシミですね」と診断された場合は、改めて美容皮膚科を選び、費用や機器の種類、医師の経験などを比較してクリニックを決めると、後悔のない選択ができるでしょう。

レーザー治療は医療行為です。資格を持った医師が施術を行う点は共通していますが、あなたの**「目的」がどこにあるか**を明確にすることで、最適なクリニック選びが可能になります。