皮膚科の多毛症治療と美容皮膚科脱毛の違い
女性の多毛症やムダ毛の悩みは、生活の質や心理的負担にも影響します。脱毛施術は「医療目的」と「美容目的」で大きく分かれ、それぞれアプローチや目的が異なります。
1. 皮膚科で行う多毛症治療とは
皮膚科では、ホルモンバランスの異常や疾患に起因する多毛症の治療が行われます。
特徴
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医師による診断のもとで行う
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原因に応じた治療が中心
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薬物療法やホルモン治療が基本
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必要に応じてレーザーや光治療も医療目的で行う
主な治療例
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ホルモン療法
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多毛の原因となる男性ホルモンを調整
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内服薬(例:スピロノラクトンなど)
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毛の成長スピードを抑制
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医療レーザー脱毛
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多毛症の改善目的で行われる
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保険適用になる場合もある
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ポイント
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体質や疾患の改善が目的
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脱毛は手段のひとつであり、美容目的とは区別される
2. 美容皮膚科での脱毛とは
美容皮膚科では、見た目や見栄えを整えるための脱毛が中心です。
特徴
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医師または医療資格者が施術を行う
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美容目的で、自由診療(保険適用外)
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VIO、顔、腕、脚など部位ごとに選択可能
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レーザー脱毛や光脱毛(IPL)が主流
目的
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毛量や毛質の改善
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肌の見た目を整える
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自己処理による肌トラブル防止
ポイント
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健康上の問題を改善する治療ではない
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効果を実感するには複数回の施術が必要
3. 両者の大きな違い
項目 | 皮膚科(多毛症治療) | 美容皮膚科(脱毛) |
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目的 | ホルモンや疾患の改善、健康目的 | 美容目的(見た目や肌の整え) |
治療方法 | 内服薬・ホルモン療法・医療レーザー | レーザー・光脱毛(医療用) |
保険適用 | 条件次第であり可能 | 基本的に自由診療(保険外) |
効果の対象 | 多毛症やホルモン異常による過剰な毛 | 見た目や自己処理による負担の軽減 |
医師の関与 | 診断・治療の中心 | 施術管理、医師判断は必要に応じて |
4. 選ぶときのポイント
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多毛症が疑われる場合 → まず皮膚科で診断・治療
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健康上の問題はなく、見た目を整えたい場合 → 美容皮膚科で脱毛
注意点
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自己判断で美容脱毛を行うと、ホルモン異常が隠れてしまう可能性あり
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医療レーザー脱毛は皮膚科・美容皮膚科どちらでも行えるが、目的によって施術方針が異なる
まとめ
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皮膚科の多毛症治療は、ホルモンや疾患の改善が中心で医療目的
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美容皮膚科の脱毛は、見た目や自己処理軽減が目的で美容目的
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適切な選択には、自分の目的と症状を整理してから受診することが重要