美容皮膚科と皮膚科における返金制度の違い
医療機関で治療を受けた際に「思った結果が得られなかった」「副作用が出てしまった」といったケースで気になるのが、返金制度の有無やその内容です。皮膚科と美容皮膚科では診療形態や目的が異なるため、返金に対する考え方にも大きな違いがあります。
1. 皮膚科(一般皮膚科)の返金制度
特徴
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基本的に健康保険適用の診療が中心。
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患者は診療行為に対して「自己負担分」を支払う仕組み。
返金の実情
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原則として返金はありません。
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保険診療は「国のルールで定められた料金」なので、結果に満足できなかった場合でも費用が返ることはない。
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ただし、医療機関側の明確な過失や計算ミスがあれば返金対象となるケースはある。
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会計処理の誤り
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薬の処方日数間違い
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治療の効果が出なかった場合でも、返金は制度上認められていない。
👉 皮膚科の返金は「事務的な誤りがあった場合」に限られる。
2. 美容皮膚科の返金制度
特徴
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保険が効かない**自由診療(自費診療)**がメイン。
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料金は医療機関ごとに自由に設定でき、数千円〜数十万円と幅広い。
返金の実情
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契約内容によって対応が大きく異なる。
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治療前に同意書や契約書で「返金条件」が明記されるケースが多い。
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よくあるパターン
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施術前のキャンセル:一定期間前なら全額返金、直前はキャンセル料発生。
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施術後の返金:原則として不可。ただし明らかな医療ミスや器械トラブルがあった場合は返金対応あり。
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コース契約(脱毛や美肌治療など):途中解約による返金制度を設けているクリニックもある(「未消化分のみ返金」「残回数の80%返金」など)。
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効果に満足できなかった場合
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「効果には個人差がある」と説明されているため、返金対象外になることが多い。
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代替施術や再施術で対応するクリニックもある。
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👉 美容皮膚科の返金は「契約条件に基づく」ため、事前に確認することが非常に重要。
3. 大きな違いのまとめ
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皮膚科
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保険診療 → 返金はほぼ不可。
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誤請求などの事務的ミスがあれば返金対応。
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美容皮膚科
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自由診療 → 契約内容次第で返金可否が変わる。
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施術効果への不満は返金対象外になることが多い。
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コース契約やキャンセル規定を必ず確認すべき。
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4. 患者が注意すべきポイント
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皮膚科では返金を期待せず、納得できない場合は「医師に再相談」か「転院」が現実的。
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美容皮膚科では契約前に
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返金規定(途中解約や効果不十分時の扱い)
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キャンセル料の有無
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再施術やアフターケアの制度
を必ず確認する。
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💡まとめると、
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皮膚科の返金制度は「制度上ほとんど存在しない」。
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美容皮膚科の返金制度は「契約内容次第で部分的に認められるが、効果に不満があっても返金は難しい」。