美容皮膚科と皮膚科での解約トラブルの違い
医療機関での治療や施術を受ける際に「やっぱりやめたい」「解約できるの?」と悩むケースは少なくありません。特に、美容皮膚科と一般の皮膚科では契約の性質が大きく異なるため、解約に関するトラブルも違いが出やすいのが特徴です。ここでは両者の違いと注意すべきポイントをわかりやすく解説します。
一般皮膚科(保険診療)の解約トラブル
特徴
-
保険診療は「病気の治療」を目的とした医療行為。
-
料金は診療ごとに発生するため、コース契約や前払いがないのが基本。
トラブルの少なさ
-
1回ごとの会計なので、治療を続けるかどうかは患者の自由。
-
「解約」という概念自体がほぼ存在しない。
-
そのため、解約トラブルはほとんど起こらない。
美容皮膚科(自由診療)の解約トラブル
特徴
-
美容目的のため、健康保険は使えず全額自己負担。
-
高額コース契約やローン契約が多く、「契約」に基づいて支払いが発生する。
起こりやすいトラブル例
-
途中解約の返金トラブル
-
施術の残回数分の返金を求めても「返金できない」「手数料が高額」となるケースがある。
-
-
クーリングオフを巡る争い
-
契約後8日以内なら解約できるケースもあるが、院側が「医療行為なので対象外」と主張しトラブルになることがある。
-
-
ローン契約の問題
-
医療ローンを組んだ場合、途中解約してもローンだけが残り支払い義務が続くケースがある。
-
-
口約束と契約内容の相違
-
カウンセリング時の説明と契約書の内容が異なり、「聞いていた条件と違う」と争いになることも。
-
美容皮膚科と皮膚科の違いまとめ
項目 | 一般皮膚科(保険診療) | 美容皮膚科(自由診療) |
---|---|---|
契約の有無 | 基本なし(都度払い) | コース契約・ローン契約あり |
解約の概念 | ほぼ存在しない | 途中解約・返金を巡るトラブル多い |
主なトラブル | ほぼなし | 返金拒否、クーリングオフ不可、ローン残債問題 |
消費者保護法の関与 | 原則なし | 特定商取引法や消費者契約法が関与する場合あり |
解約トラブルを避けるための対策
-
契約前に書面を必ず確認
返金条件・中途解約の規約を事前にチェック。 -
ローン利用は慎重に
総額・金利・途中解約時の返済条件を理解してから契約する。 -
不明点は書面で残す
口頭説明だけに頼らず、契約書や同意書で条件を明確にしておく。 -
相談窓口を知っておく
トラブルになったら消費生活センターや弁護士への相談が有効。
まとめ
-
一般皮膚科は都度払いで解約トラブルがほぼない。
-
美容皮膚科は自由診療で契約が絡むため、返金・ローン・クーリングオフを巡る解約トラブルが多い。
-
契約書の確認・条件の把握・第三者相談を意識することでトラブル回避が可能。