つわりがしんどい…「アピールがうざい」と思われる原因と、波風を立てない乗り越え方
「つわりが辛くて一歩も動けない」「吐き気が止まらなくて仕事どころではない」……。妊娠初期に多くの女性が直面するつわりは、経験した人にしかわからない壮絶な苦しみです。しかし、周囲に助けを求めたり、辛さを吐露したりすると、時に「アピールがうざい」「甘えている」といった冷ややかな視線を向けられてしまうことがあります。
なぜ、命を育むための尊い過程であるはずのつわりが、周囲にはネガティブに捉えられてしまうのでしょうか。この記事では、周囲が「うざい」と感じてしまう心理的背景を紐解き、良好な人間関係を保ちながらこの時期を乗り切るための具体的な対策を解説します。
周囲が「つわりアピール」を不快に感じる理由とは?
まず理解しておきたいのは、周囲が必ずしもあなたの辛さを否定しているわけではないということです。しかし、伝え方や状況によっては、以下のような心理的摩擦が生じることがあります。
1. 経験の有無による想像力の限界
つわりの症状は個人差が激しく、軽い人から入院が必要なほど重い人まで様々です。未経験の人や、幸いにもつわりが軽かった人にとって、24時間続く吐き気や倦怠感は想像の範疇を超えています。「二日酔いのようなもの」という説明では到底足りない苦しみがあるのですが、それが理解されないために「大げさだ」と思われてしまうのです。
2. 「察してほしい」オーラへの負担感
体調が悪いと、どうしても無口になったり、ため息が増えたりします。言葉で具体的に説明せずに、周囲に「体調が悪いことを察して配慮してほしい」という態度(非言語的アピール)が続くと、周囲は「どう接していいかわからない」「気を遣いすぎて疲れる」と感じ、それが「うざい」という感情に変換されることがあります。
3. 職場での業務負担の偏り
仕事をしている場合、つわりによる欠勤や早退、パフォーマンスの低下は避けられません。その分のフォローを担う同僚が、自身の忙しさに余裕をなくしている場合、「体調不良だから仕方ない」と分かっていても、繰り返される辛さの訴えにイライラを募らせてしまうケースがあります。
「うざい」と思わせないためのコミュニケーション術
周囲との摩擦を最小限にし、適切なサポートを得るためには、感情に任せた「アピール」ではなく、戦略的な「共有」が必要です。
具体的な言葉で状況を伝える
「しんどい」「無理」といった抽象的な言葉ではなく、客観的な状況を伝えるようにしましょう。
悪い例: 「もう本当に無理、死にそうです……(ため息)」
良い例: 「今は特定の匂いに敏感で、急に席を外すことがあるかもしれません。ご迷惑をおかけしますが、戻り次第対応します」
感謝の言葉をセットにする
人は、感謝されるとその人のために動こうという心理が働きます。「体調が悪くて申し訳ない」という謝罪だけでなく、「フォローしてくれて本当に助かります、ありがとう」という感謝を意識的に伝えましょう。返報性の原理により、周囲の攻撃的な感情を和らげることができます。
相談する相手を絞る
不特定多数の人に辛さを漏らすのではなく、職場であれば直属の上司、家庭であればパートナーというように、具体的な配慮や調整をお願いできる相手に絞って深く相談しましょう。それ以外の人に対しては、最小限の報告に留めるのがスマートです。
つわりの苦しみを和らげるための具体的対策
周囲の目も気になりますが、何より一番大切なのはあなた自身の体と赤ちゃんの健康です。無理をせず、少しでも楽になる方法を取り入れましょう。
食べられるものを少しずつ(分割食)
空腹になると血糖値が下がり、吐き気が増す「食べつわり」の人も多いです。一度にしっかり食べようとせず、ゼリー飲料やクラッカー、冷やしたおにぎりなど、口にできるものを小分けにして摂取しましょう。
漢方や医療機関の活用
「つわりは病気じゃないから我慢するもの」というのは大きな間違いです。ビタミンB6の摂取や、漢方薬(小半夏加茯苓湯など)が有効な場合もあります。水も飲めない、体重が激減するといった場合は「妊娠悪阻」の可能性があるため、早めに産婦人科を受診し、点滴などの適切な処置を受けましょう。
診断書の提出で公的なサポートを
仕事がどうしても辛い場合は、医師に「母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)」を記入してもらいましょう。これがあれば、時差出勤や勤務時間の短縮、休業などを会社に堂々と請求できます。感情的なアピールではなく、公的な書類を通すことで、周囲も「必要な措置である」と客観的に理解しやすくなります。
精神的な孤独を防ぐために
SNSやつわり専用のコミュニティで、同じ悩みを持つ仲間と繋がることも一つの手です。リアルな人間関係では「うざい」と思われるのが怖くて言えない本音も、同じ境遇の人同士なら共感し合い、励まし合うことができます。吐き出す場所を別に持つことで、職場や家庭での態度に余裕が生まれます。
まとめ:自分を責めず、適切な距離感で乗り切る
つわりの時期は、心身ともに極限状態です。周囲の反応に敏感になってしまうのも無理はありません。しかし、「うざいと思われるかも」と一人で抱え込みすぎる必要もありません。
大切なのは、感情的に辛さを撒き散らすのではなく、状況を整理して冷静に伝え、得られたサポートには最大限の感謝を示すことです。この時期は一時的なものです。完璧に振る舞おうとせず、まずは自分と赤ちゃんを守ることを最優先に、周囲とほどよい距離感で付き合っていきましょう。