不正のない不動産取引や海外送金に必須!英文の不動産登記簿謄本(登記事項証明書)の作り方と注意点


海外の銀行口座開設、海外送金の手続き、あるいは投資家ビザなどのビザ申請において、「日本に所有している不動産の証明」を求められることがあります。

しかし、日本の法務局に行っても「英語版の不動産登記簿謄本」は発行してもらえません。日本の不動産登記制度はすべて日本語で管理されているため、自身で「英訳版」を準備し、その妥当性を証明するプロセスが必要になります。

この記事では、不動産の登記事項証明書(登記簿謄本)を英語で提出するための具体的な手順、適切な英語名称、そして審査で却下されないための認証手続きについて詳しく解説します。


不動産登記簿謄本の英語名は?

英語で不動産登記簿を説明する際、一般的には Certificate of Registered Matters (Real Estate) と呼びます。提出先によって求められる名称が異なる場合があるため、以下の表現を覚えておくとスムーズです。

  • Certificate of Registered Matters: 登記事項証明書の公式な英訳。

  • Real Estate Register: 不動産登記簿。

  • Certified Copy of the Real Estate Registry: 不動産登記簿の謄本。

  • Title Deed: 所有権を証明する書類(権利証に近いニュアンスで使われることもあります)。

基本的には、法務局が発行する「全部事項証明書」の英訳を指します。


英文の不動産登記簿を用意する3つのステップ

日本の公文書を海外で有効な書類にするためには、単に翻訳するだけでなく「公的な証明」を付与する工程が不可欠です。

1. 日本語の「登記事項証明書」を取得する

まずは、最寄りの法務局またはオンライン申請(登記・供託オンライン申請システム)を利用して、最新の日本語原本を取得します。

  • 土地(Land)

  • 建物(Building)

海外送金や資産証明の場合、土地と建物の両方が求められることが多いため、セットで用意するのが無難です。

2. 英語への翻訳(プロへの依頼を推奨)

取得した日本語の原本を英語に翻訳します。不動産登記簿には「地番」「地目」「地積」「抵当権」「共同担保目録」など、非常に専門的な用語が並びます。

これらの用語を誤って訳すと、資産価値の証明として認められないリスクがあります。特に銀行やビザ審査機関は、記載内容の整合性を厳格にチェックするため、不動産専門の翻訳会社や法務関係者に依頼することをお勧めします。

3. 公証役場での認証・アポスティーユの取得

ここが最も重要なステップです。翻訳した書類が「正当なものである」ことを証明するために、以下の手続きを行います。

  • 公証人による認証: 翻訳者が公証役場へ行き、翻訳内容が正確であることを宣誓し、署名します。

  • 外務省のアポスティーユ(Apostille): 提出先の国が「ハーグ条約」の加盟国であれば、外務省の証明(アポスティーユ)を得ることで、駐日大使館での領事認証を省略できます。


翻訳時に注意すべき専門用語のポイント

不動産登記簿を英訳する際、特に正確さが求められる項目を整理しました。

日本語項目英語訳の例解説
表題部Heading Section不動産の物理的状況(所在・面積など)
権利部(甲区)Section A (Proprietary Rights)所有権に関する事項(所有者の氏名・住所)
権利部(乙区)Section B (Rights other than Ownership)抵当権や差押えなど、所有権以外の権利
抵当権設定Establishment of Mortgage銀行ローンなどの担保権
原因Cause売買(Sale)、相続(Inheritance)など

特に「乙区」に住宅ローンの抵当権が残っている場合、海外の銀行からは「完全な所有権ではない(借金がある)」と見なされることがあります。完済している場合は、抹消登記を済ませてから最新の謄本を取得するようにしましょう。


なぜ「自己翻訳」はリスクが高いのか?

英語に自信がある方でも、自分の不動産の登記簿を自分で翻訳することは避けたほうが賢明です。

  1. 客観性の欠如: 提出先(特に海外銀行)は、本人による翻訳を「改ざんの可能性がある」として受け付けないケースが多々あります。

  2. 不備による再提出: 公証手続きには数千円から数万円の費用と時間がかかります。翻訳の小さなミスで差し戻しになると、再度すべての手続きをやり直すことになり、余計なコストが発生します。

  3. 法的責任: 誤った翻訳が原因で契約上のトラブルが発生した場合、自己責任の範囲が広くなってしまいます。


まとめ

不動産の英文登記簿(Certificate of Registered Matters)は、海外での信用を証明するための強力な武器になります。

手続きのポイントは、**「最新の日本語原本」を準備し、「プロによる正確な翻訳」を施した上で、「アポスティーユ等の公的認証」**をセットにすることです。

提出先の機関(銀行、大使館など)によって、翻訳者に求める資格や認証のレベルが異なるため、まずは相手側に「提出書類のリスト」を詳細に確認することから始めてください。


登記簿謄本(Certificate of Registered Matters)とは?英語での説明と活用法



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