登記簿謄本の英語表記一覧|代表取締役や資本金は?契約書で迷わない専門用語ガイド
海外企業との英文契約書の締結や、海外送金のための法人口座開設、あるいは国外での現地法人設立など、ビジネスのグローバル化に伴い「会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)」の内容を英語で説明しなければならない場面が増えています。
しかし、日本の法務局が発行する独特な用語を、そのまま直訳しても相手に伝わらないことが多々あります。誤った英語表記は、契約の無効や審査の遅延を招くリスクさえあります。
この記事では、登記簿謄本(Certificate of Registered Matters)に記載されている「代表取締役」「資本金」「目的」といった重要項目の正しい英語表記を一覧で解説します。実務でそのまま使える専門用語ガイドとしてご活用ください。
登記簿謄本の基本項目:英語表記リスト
日本の履歴事項全部証明書に記載されている主要な項目の標準的な英訳です。
基本情報(Basic Information)
商号: Trade Name / Corporate Name
本店: Head Office / Principal Office
公告をする方法: Method of Public Notice
会社設立の年月日: Date of Incorporation
会社法人等番号: Corporate Number / Company Registration Number
株式・資本金(Shares and Capital)
発行可能株式総数: Total Number of Authorized Shares
発行済株式の総数: Total Number of Issued Shares
資本金の額: Amount of Capital / Stated Capital
役員に関する事項(Officers and Directors)
日本の「取締役」や「代表取締役」は、役職権限を正確に伝えるために以下の表現が一般的に使われます。
取締役: Director
代表取締役: Representative Director
監査役: Corporate Auditor / Statutory Auditor
代表権をもって執行する: Authorized to represent the Company
契約書で迷わない!重要用語の詳細解説
単なる単語の置き換えだけでなく、実務上注意が必要な項目について詳しく見ていきましょう。
「代表取締役」は CEO と呼んでもいいのか?
英文契約書の署名欄などで、日本の「代表取締役」を CEO (Chief Executive Officer) と記載することがあります。
これは間違いではありませんが、厳密には日本の会社法上の役職名は「Representative Director」です。公的な書類や銀行提出書類では、登記簿の文言に近い Representative Director を使用し、名刺や対外的な肩書きとして CEO を併記するのが一般的です。
「目的(Object)」の翻訳
登記簿の「目的」欄には、その会社が行う事業内容が羅列されています。
目的: Object / Purpose / Business Purposes
前各号に附帯関連する一切の事業: Any and all businesses incidental or related to the foregoing items.
この「附帯関連する〜」の一文は非常に重要で、英文でも定型句として必ず含めるようにします。
「原因(Cause)」と「日付(Date)」
役員の就任や住所変更の欄にある「原因」には、以下のような英語をあてます。
重任(再選): Re-election
辞任: Resignation
退任: Retirement
就任: Assumption of Office
実務で役立つ!登記簿の英語レイアウトのコツ
翻訳文を作成する際、相手(海外の銀行員や弁護士)が最も重視するのは「日本語の原本と照らし合わせができるか」という点です。
項目の順序を守る: 左側に日本語の項目名、右側に英訳を配置するなど、原本の構造を維持します。
住所の表記: 日本の住所は「都道府県」から書きますが、英語では「番地、市区町村、都道府県」の順に並べ替えます。ただし、固有名詞(例:千代田区 → Chiyoda-ku)はそのままローマ字で表記するのが基本です。
金額の単位: 資本金の額が「円」であることを明記するため、JPY または Yen を必ず付け加えます。
翻訳の法的効力を高めるために
登記簿謄本の英訳は、単に言葉を直しただけでは「公的な書類」として認められない場合があります。
翻訳証明書(Certificate of Translation)の添付
「この翻訳は原本の内容を正確に反映したものである」という、翻訳者または翻訳会社による署名入りの証明書を添付するのがビジネス上のマナーです。
認証(Notarization / Apostille)
提出先が公的な機関である場合、翻訳文に公証役場の「認証」や、外務省の「アポスティーユ」を求められることがあります。これらは、その書類が日本の正当な手続きを経て作成されたことを国際的に証明するものです。
まとめ:正確な用語選定が信頼を築く
登記簿謄本は、会社の「身分証明書」です。その英語表記に誤りがあると、コンプライアンス(法令遵守)の意識を疑われ、取引のチャンスを逃してしまう可能性もあります。
代表取締役は Representative Director
資本金は Amount of Capital
目的は Object
これらの基本を押さえつつ、必要に応じて専門の翻訳会社や法務アドバイザーの確認を得ることが、安全なグローバルビジネスの鍵となります。
まずは、お手元の登記簿謄本の中で、最も翻訳が難しそうな「目的(事業内容)」の部分をピックアップして、英語でどう表現するか書き出してみることから始めてみませんか?
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